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君が代起立問題とリバタリアンがリピートする「学区廃止&バウチャー」の意図

悪法収容所:「国旗・国歌、嫌いなら辞めよ」=起立しない教員に−上田埼玉知事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090701-00000137-jij-pol

これは最悪。公教育が最もク×になった事例。右翼に全体が乗っ取られて有能な左翼教員がパージされる地獄図。(リ)こういうことを言っていいのは学区廃止&バウチャーで私学化された後の右翼学校の校長のみ。

http://anacap.jugem.jp/?eid=180


右翼と左翼の定義がなんだか知らないが、明確なことは「左翼は自分らの理屈が矛盾していくもの」ということを見てみぬふりをする。机上の空論というやつで、得てしてそういう輩は自分らを優秀と自惚れる。
右翼学校ですか・・・ということは左翼学校もあると思われるが、学校といった制度自体、一定の思想の強要ですよね。

comment by: Voodoo | 2009/07/02


Voodooさんがおっしゃりたい矛盾はわかります(たぶん)。公務員でありながら日の丸反対を叫ぶ人たちは私もよくわかりません。むしろその「正論」は正論という気もします。

「有能な左翼教員」とは紛らわしい書き方でしたが、間違っても左翼イコール優秀、あるいは相対的に右翼イコール馬鹿とは言っておりません。これは誤解なきよう。ただ左翼は新奇性を好み、右翼は勤勉の傾向があります(『ベキダ⇔デアル』第4章参照)。そこから考えるとむしろ権威主義的・公教育的・受験校的に優秀なのは右翼だと思います。

さて私はこのような優劣議論に関心はありません。無意味だと思います。右翼でも左翼でも中道でもノンポリでも優れた教育者は優れた教育者です。それを前提とした上で、悪法収容所のタイトルの主な意図は以下の通りです。

たとえば浦和高校にとても人気のある優れた数学の教師であるが日の丸・君が代反対のウルトラ左翼がいたとします。そこに新しい埼玉県知事としてファシスト右翼が来たとしましょう。彼は左翼に居心地のよいリベラルなおそらく名門のキリスト教系私学への転校を考えます。こうして浦和高校は東大進学率で名門私学はおろか新興私学にすら負けていき、また他県の名門県立にも負けていきます。

(もっともよっぽどのウルトラでなければ辞めることは考えないでしょう。また学校がサービスするのは進学のための勉強だけではないですし、また進学校だけでなくいろんな専門高校があります。ただ進学校であればその主なサービスは大学入学のための知識の教授ということになるでしょう。)

これは極端なケースかもしれませんが、いずれにせよ公教育が「正義」と「効率」の両面で様々な矛盾をはらんでいるというのは明らかです。全体主義の傾向が強くなるとそれらはさらに顕在化・肥大化します。これはまだ県レベルなのでいいですがこれが国レベルになると本当に深刻です。

結局「正義」と「効率」の両面で理にかなったものは「選択の自由」しかありません。つまり公教育の矛盾をクリアするためには「市場化」しかないということです。学区廃止&バウチャーにより競争が発生し、生徒と共に教員の選択の自由が増えるのが理想です。これにより最適な資源配分のほうへ向かいます。そして同時に個人の正義が実現されます。そこでは知事や教育委員会よりも各学校長の権限が強くなり、またやっかいなことにその校長たちは極端な右翼あるいは左翼だったりするかもしれませんが、教員はその学校が気に入らなければすぐに別の学校に転校できます。生徒についても同様の議論ができます。
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