アナルコ・キャピタリズム研究(仮)ブログ

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衆院選中止のお知らせ

公園では親たちが自分の子どもにいろいろなことを言って聞かせている。だが、ほかの子がおもちゃをたくさん持っているからといって、それを取り上げて遊びなさいと言っているのを聞いたことはない。一人の子どもがほかの子どもたちよりおもちゃをたくさん持っていたら、「政府」をつくって、それを取り上げることを投票で決めようなどと言った親もいない。(スティーブン・ランズバーグ『フェアプレイの経済学―正しいことと間違っていることの見わけ方』)

外山恒一の都知事選政見放送は一見めちゃくちゃなようで重要な真理を含んでいる。アメリカ大統領選出馬の動画もそうである。

外山恒一と同様に民主主義否定者であり、政治そのものを否定する私やブライアン・キャプラン(『選挙の経済学-投票者はなぜ愚策を選ぶのか』)のようなアナーキスト資本主義者からすれば、成人なら誰でも1人に1票を与える普通選挙というのは相当に狂ったシステムである。選挙権を最初から全員に平等に与えてしまうのがそもそもの間違いだと考える。

比較的現実的な打開策の一つは投票権を売買可能な権利にすることである。これが本当の「選挙の投票率を100%にする簡単な方法」である。だいたい、わざわざ投票所に足を運んで候補者に1票をタダで渡すというシステムからしておかしいのである。そして候補者は票を購入するために、炎天下のなか大声を張り上げたり、ドブ板をまたいで頭を下げたりしなくてはいけない。選挙自体が大変な資源の浪費なのである。

では投票権はヤフオクで1票いくらぐらいになるか。これは購入者が政治から得られる収益(心理的なものも含む)を反映するが、ちょっと見当がつかない。ただ簡単に予想されるのは金持ちが政治家になるということだ。これは悪くはない、というよりむしろ常識的な政治観からすると望ましいはずである。日本を良くしようと思って政治に関心があるが、(お金はもうたくさんあるので)私的な利益にはあまり関心がないわけである。もう一つ予想されるのが、国会は大企業に乗っ取られるだろうということだ。政治家に献金することはもはやなく、企業の「政治部」によって候補者が擁立されるだろう。政党などはなくなるはずだ。

このようなシステムは現在の選挙システム(常識人の理想では、投票者が投票という公共財を私的に生産しながら、政治家という公共財を集団で購入する仕組み)よりはるかに効率がいいと思われる。

アナルコキャピタリストの政治観を知るQ&A

Q.なぜ若者は選挙に行きませんか?

公共財理論の誤り―民主主義という失敗にも書いているが、個人がよい政治家に投票することは公共財である(正の外部性をもつ)。(「選挙に行こう」と周りに呼びかける人はよく「もしみんなが行かなかったら」という。だが投票率が下がれば下がるほど一票のもつ力は大きくなるので、この仮定は起こらない。一方、彼の期待通りに投票率が上がると一票の力は小さくなる。現実には最初に主人公が正しく思っていた通り、個人の一票は何の影響力ももたない。)選挙に行ってコストに見合ったものを得るのは難しい。まつりごと(政)を祭り事としてよっぽど楽しめる人でなければ、貴重な時間を割いて投票所に足を運ぼうとは思わないだろう。(アナルコ・キャピタリズム研究(仮)『空気』

Q.なぜ世の中には悪い政治家ばかりいますか?

政府を購入するのと同じ方法でわれわれは車を購入すると想像してみよう。 1万人の人が集まり、自分の好きな車に一票ずつ入れることに合意する。どの車が勝とうと、1万人は皆その車を買わなくてはならない。われわれすべての人間にとって、どの車が最善だろうかと頭を悩ませることは割に合わない。なぜなら、わたしがどういう決定をしようと、わたしの車は集団の他のメンバーたちによって決定されるからだ。そのような制度のもとでは、車の品質はすぐに下がってしまうだろう。 (デイビッド・フリードマン"The Machinery of Freedom")

Q.利益政治における投票行為とはいったい何ですか?

自分や自分の友人たちに特別な利益を約束する候補者に選挙資金を寄付するのは、強盗が道具に金を使うのとほとんどまったく同様に、自分たちのほうに財産を移転するよう金を使うことだ。(デイビッド・フリードマン『日常生活を経済学する』)

Q.なぜ民主主義では我々少数派は生きていけませんか?

「民主的な」決定は、多数派の意思を見つけ実行するための方法である。他には何の機能もない。それは多様性を後押しするためでなく妨害するために役立つ。(デイビッド・フリードマン"The Machinery of Freedom")

Q.結局、政治とは何ですか?

(私有財産制度とは違って)公有財産制度のもとでは、財産は政治そのものに支配され、その目的を達成するために使われる。だが政治とは、個人の目的の多様性を無理矢理ある「共通の目的」のセットに押し込むことである。(個人の目的を、多数派や政権党の目的、あるいは政治権力をもつ個人や団体の目的に押し込む。)したがって公有財産制度とは、「共通の目的」を個人に押し付けるということなのである。(デイビッド・フリードマン"The Machinery of Freedom")

Q.最後に、やっぱり民主主義はうまくいきませんか?

公共財問題の一番単純な解決法は、税金を使ってその財を政府に生産してもらうことである。私的な生産では不十分なとき、これはうまく機能するかもしれない。だが本当の問題は、政府を正しく行動させようとするメカニズム、つまり<選挙>自体が公共財の私的生産になっていることなのである。この章で前に説明したが、人々がよい政治家を選ぶために使う時間とエネルギーは、利益として返ってきたとしても大部分が他人のところに行く。つまりあなたは「よりよい候補者への投票」という公共財を生産している。だがこの公共財は私的に生産されることがとても難しい。というのも「公共」の範囲が一国全体に及ぶ極めて広いものだからだ(訳者注:一個人は全体の結果について影響力をもたず、かつ全体は一個人の行動に対して強制力をもたない)。それゆえこの公共財は極めて過少生産になる。人々にとって労力を使ってよい政治家を選ぶことは割に合わないのだ。そしてこれは民主主義があまりうまくいかないこと、したがって政府に正しい行動を期待するのは難しいことを意味する。(デイビッド・フリードマン"Price Theory")

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