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「消費税20%・ベーシックインカム5万円」政策の是非

どんな政策でも正の効果>負の効果ならば採用すべきだ。

ベーシックインカムについてホリエモン藤沢さんが書いている。

ホリエモン説のうちとくにおもしろいのは「解雇がやりやすくなるぶん生産性が上がる効果」だ。これは労働法の撤廃にはまったく及ばないだろうが、かなりの大きさになるに違いない。

藤沢説でおもしろいのは「年金・福祉・雇用対策事業などの社会保障費がすべてベーシックインカムに統合されることによる行政費用節約の効果」だ。これもやはり相当な大きさになるだろう。

ベーシックインカムのシミュレーションは天文学計算よりも難しい。個人個人に何が起こるかを考えなくてはならない。これは個人個人のインセンティブをすべて考えるということである。

最もまずい試算方法は、GDPが減らないと仮定して計算することであり、また人口が増えないと仮定して計算することである。政策によって人々の行動は変化し、したがって政策費用も税金収入も変化するのである。

とはいえ他の制度が固定されているとき、ベーシックインカム政策がトータルプラスの効果を生むことはありえない。なぜ簡単にそう言えるかというと、ベーシックインカム制度が壮大な盗み合いであるからだ。圧倒的に正の効果より負の効果のほうが大きい。

人々に新しい権利を与える「積極的」ラディカルさは大いに受けるし採用されることもあるだろうが、それは大きな政府へ向かって一気に進むことなのである。この道はすなわち隷属への道である。

けっきょく(ホリエモンと藤沢さんが示しているように)ベーシックインカム政策は他にある実効的な規制や制度の消失を伴って初めてプラスになる可能性があるのである。

そういうわけで我々は「積極的」ラディカルなベーシックインカム論の前に、労働法や社会保障制度の完全撤廃といった「消極的」ラディカルさをもっていなくてはならないのである。
◆ベーシックインカムを考える | comments(1) | trackbacks(0) |