アナルコ・キャピタリズム研究(仮)ブログ

★無政府資本主義の理論(経済学) 
◆リバタリアニズム
▽海外リバタリアンの文献翻訳
■時事問題・日常生活 
▼ロンドン暮らし 

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | - | - |

恋愛と政治はなぜうまくいかないか

市場に対する誤解ってあります。その一つが金持ちが全部取るってやつ。一般の市場がそうですか?貧乏人でも少しは買えるはず。

直接的に価格がついてないとき、非効率が生まれます。それは政治とか恋愛です。一人区の選挙とか。大量の死票が出ます。恋愛も市場的ではありますが、スーパーで値段を見て購入できるような簡単なものじゃありません。大量のおひとり様が出ます。

以下は

David Friedman, Price Theory, Chapter 21: The Economics of Love and Marriage

からの引用です。

「女性に明示的に価格がつくような結婚市場では、金持ちがすべてを得るのではないか、と思うかもしれない。だが普通、市場においては、所得の差というのは、誰が何を得るかを決める要因の一つではあるが、唯一の要因ではない。嗜好の差によって、所得が高い人よりも、何かを多く得ることはある。」

「つまり、通常の市場においては、結果はオールorナッシングではないのだ。より支出した人がより多くを得るが、すべてを得るわけでなく、支出額に応じた分だけを得るのだ。金持ちが全部を取るような市場というのは、むしろ明示的に価格がつかない市場なのだ。」

これは一夫一婦制の問題をも指摘しています。いずれにせよ結婚・恋愛市場では、政治市場同様、資源の有効利用が行われないのです。

恋愛市場では主に情報的制約が問題であり、この非効率は現代の情報技術がかなり解決しています。また風俗・アイドル・ゲームなど部分的に代替となる市場もあります。

恋愛はこのように市場でなんとか解決できるものです。しかし政治というのはほんとどうしようもありません。これは結局、市場と異なり、個人の努力が個人に返ってこないインセンティブ構造になっているからです。
◆恋愛と政治はなぜうまくいかないか | comments(0) | trackbacks(0) |