1. 福祉国家の詭弁性
強制的な所得移転は盗みそのものである。
「仮に盗みであったとしても」開き直った福祉国家論者が(暗黙に)反論する。「盗みがなぜ悪い。盗まれた人が何かを失って嫌な思いをするからか?でも盗んだ人は何かを得ていい思いをする。全体として考えるとプラスマイナスゼロだ。いやもし金持ちから貧乏人に移ったならプラスと言えるだろう。盗みの何が悪い。」
これは詭弁である。一般的に言って、盗みは全体として考えるとプラスマイナスゼロではなく、少なくとも泥棒の時間・労力と潜在的被害者の防犯費用のぶんだけ純マイナスなのである。だから盗みは悪い。強制的な所得移転は悪だと言える。
2. 福祉国家の不可能性
政府の福祉は思い通りに行かない。国家による福祉制度が食い物にされるというのはどこの国でも見られることだ。イギリスで身近なところで言えば、低所得者が政府価格で安く借りた公営のフラットを市場価格で又貸しし、自分は別の良いフラットに住む。母子家庭への厚遇がティーンエイジャーの出産を増やしている。
3. 福祉国家の不必要性
たとえほとんど誰しもが良いと思う福祉であっても強制的な所得移転は必要がない。ほとんど誰もが当然良いことと考えればそれは民間で勝手に行われるのだ。