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Worst Downturn, Pandemic, and Letters of Last Resort

昨日は戦後最悪となった日本のGDP減、今日はインフルの東京での確認がニュースになっていた。最近のお気に入りはBBC Radio 4だ。音楽とスポーツの番組がなく、ずっと誰かが何かをしゃべっている。イギリス英語の標準発音を勉強するにはもってこいだ。年間約7000万ポンド=105億円の税金が使われる、イギリスで最も高価なラジオ放送である。

このチャンネルの特徴はイギリスの海事および軍事で重要な役割を担っているということだ。国防省に属する気象庁が一日4回海上予報を出す。長波により周辺海域ではっきり受信できるためである。また有事の際に使われるチャンネルとなっている。他のすべてのラジオ局が閉鎖を余儀なくされても放送を続ける。ちなみに1991年湾岸戦争のときには全番組が戦況の報告に置き換えられた。

さておもしろいのはこのチャンネルはイギリス海軍のLast Resort Letters (最終手段文書)システムの一部として機能しているということである。本土が破滅的な攻撃を受けたと判断されるとき、原潜司令官が本国が消滅したことを確認するためにRadio 4をチェックするのである。

Last Resort Lettersとは首相直筆の4通の文書で、核ミサイルを装備した原子力潜水艦の中に1通ずつ保管されている。イギリスが核攻撃で破壊され首相自身が死亡して命令が下せないとき、何を行うかが書かれてある。(新しい首相が任命されると破棄される。)

Last Resort Lettersには4つのオプションがある。

・報復する
・報復しない
・原潜司令官の判断に任せる
・オーストラリアまたはアメリカの指示を仰ぐ

そしてイギリス本土が核攻撃を受けて破壊され、原潜がRadio 4を受信できなくなったとき、この文書が開かれ実行される。なお冷戦時のオプションは報復(核ミサイル発射)であったことが確認されているという。

BBC Radio 4 - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/BBC_Radio_4
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